8/26メイウェザーvsマクレガー~世紀の一戦が幕を開ける~① / The Money Fight:概要

8/26メイウェザーvsマクレガー

世紀の異種格闘技戦

来月26日、「世紀の異種格闘技戦」といわれる

元プロボクシング5階級制覇王者
フロイド・メイウェザーJr
vs
総合格闘技団体UFC2階級制覇王者
コナー・マクレガー

の一戦が行われる。

試合は通常のボクシング12回戦として行われ、グローブは10オンス、会場となるのはラスベガスTモバイルアリーナだ。マクレガーにとってはこれがボクシングデビュー戦となる。

日本のスポーツニュースではあまり取り上げられていない今回の一戦だが、世界中の格闘技ファン、スポーツファンの間ではこれ以上ないというくらいの異様な盛り上がりを見せている。

2年前に行われた世紀の一戦、メイウェザーvsパッキャオの盛り上がりに迫りかねないほどの盛り上がりを見せているのだ。

 

ボクシングファン待望のメガファイトも

実はこの試合の1ヶ月後には同じラスベガスで、ボクシングファン待望のメガファイト

ミドル級絶対王者
ゲンナディー・ゴロフキン
vs
メキシコのスーパースター
サウル・カネロ・アルバレス

の一戦が控えている。

試合としてはこちらの方が先に決まっており、単純にボクシングの試合としてみれば、こちらの試合の方がはるかに純度が高い。

しかしメイウェザーとマクレガーの一戦が決まると、話題はすべてこの”世紀の異種格闘技戦”一色となった。

 

元プロボクシング5階級制覇王者 フロイド・メイウェザーJr

史上最高のボクサー、フロイド・メイウェザーJr

メイウェザーはいうまでもなく史上最高の呼び声高いボクサーである。

その圧倒的なスピードと卓越したディフェンス能力、動体視力、華麗なフットワークでデビュー後わずか2年で世界王者となり、その後18年間世界の頂点に君臨した。49戦49勝の無敗記録はロッキー・マルシアーノと並ぶ大記録であり、更に無敗で5階級制覇を成し得たのはメイウェザーただ1人だ。
メイウェザーのディフェンシブなスタイルはつまらないとの批判もあるが、元々スーパーフェザー級で戦ってた頃のメイウェザーは攻守ともに優れたボクサーの理想形ともいえる選手だった。そもそもトップレベルのボクサーを相手にして、観客につまらない試合と思わせるほどに相手の光を消すこと自体、メイウェザーの凄さなのだ。

そしてそのトラッシュトークと拝金主義ぶりが世間の注目を集め、メイウェザーの試合のPPVはファンにもアンチにも売れに売れ、アスリート界を代表するリッチマンとなった。フォーブスのアスリート長者番付では常にトップに食い込み、パッキャオ戦が行われた2015年の番付では350億円という圧倒的な年収を記録し、史上最高額で1位となった。

そんなボクシング界の生ける伝説とプロボクシングデビュー戦の新人が戦うこの超格差マッチ。一歩間違えれば世紀の大凡戦、前代未聞の茶番となりえる一戦がなぜ決定したのか。

それはこの記事のタイトル、すなわちこの一戦につけられたタイトル “The Money Fight” が示す通り、この一戦が莫大なマネーを生むからだ。

 

メイウェザーが先に仕掛けた

端を発っしたのはメイウェザーの発言からだった。

2015年のアンドレ・ベルトとの一戦を最後にメイウェザーは現役を退いた。しかし、ボクサーの引退発言ほど信憑性のおけないものはない。事実メイウェザーの引退はこれで2回目なのだ。メイウェザーの宿敵、マニー・パッキャオも2016年のブラッドリー戦を最後に一度は引退したものの、1年と待たずに復帰をしている。当然のごとくメイウェザーの元には、現役復帰はするのか?という質問が多く寄せられた。

その質問に対しメイウェザーが出した答え

「復帰をするなら、相手はコナー・マクレガーだ」

49戦49勝無敗の超A級ボクサーが指名したのは、ファンから対戦を熱望されていたミドル級絶対王者ゴロフキンでも、宿敵パッキャオでもなく、アメリカ4大スポーツリーグ(MLB、NFL、NBA、NHL)に迫る人気を誇るアメリカの総合格闘技団体UFCのスーパースター、総合格闘家のコナー・マクレガーだった。

何を隠そう今回のメガファイトの盛り上がりの立役者は、ボクシングデビュー戦を来月に控えたこのアイルランド人なのである。

マクレガーの紹介をする前に、UFCについて触れておきたい。

そもそもUFCとは?

UFCとは世界初にして、世界最大、最高峰の総合格闘技団体であり、そのレベルの高さ、各階級の層の厚さは、かつて日本に存在したPRIDEの比ではない。エンタメ志向の高いPRIDEと違い競技志向の高いUFCは、完全実力至上主義の団体で、そこで戦うファイターは上から下まで常にふるいにかけられている。有名であっても人気であってもそのふるいから落とされればリリースとなり、UFCでは戦えない。日本でテレビ放映される格闘技団体では、話題性やキャラクター性などがあれば視聴率が取れるため実力が伴ってなくても試合を組んでもらえたりもするが、UFCでは実力がない選手には試合の機会は訪れない。実力があって初めてキャラクターやバックグラウンドが評価されるのだ。またUFCが人気となり、そこで戦う選手たちがビッグマネーを手にするようになると、今まで他の競技に流れていたような優秀な人材がMMA(総合格闘技の英名)に流れてくるようになり、MMAの競技人口そのものが世界的に増えたため選手層も厚くなった。
前述した日本の格闘技団体では、実力がある選手に対し、その実力を際立たせるため弱い相手と対戦させることも少なくない。しかしUFCではそんなことはあり得ない。上に行けば行くほど楽な試合など一つもなく、王者になれば毎回ランキングを駆け上がってきた強豪との防衛戦に臨まなければならない。UFCは過酷な生存競争が行われているジャングルであり、必然的に強い者しか残らなくなる。

 

コナー・マクレガー

コナー・マクレガーとは一体誰?

コナー・マクレガーはそんなUFCで史上初の同時2階級制覇王者となったアイルランド出身の総合格闘家であり、ブラジリアン柔術茶帯の実力を持ちながらも、アマチュアボクシング仕込みのパンチと変幻自在の蹴り技、トリッキーなステップを駆使した打撃主体のファイトスタイルで2013年のUFCデビュー以降は、フェザー級でホロウェイ、シヴァー、メンデスなどの強豪相手に連戦連勝。

そして遂には、フェザー級王者であり、パウンドフォーパウンド最強候補の1人でもあったブラジルのジョゼ・アルドと激突。

ブラジリアン柔術の元世界王者にして一流キックボクサーに匹敵する打撃を持ち合わせるアルドは、その圧倒的な攻撃力で10年間無敗のフェザー級絶対王者だった。

 

ファンを惹き付けるトラッシュトーク&抜群の打撃力

当時のマクレガーはまさに勢いづいた昇り竜といったところで、アルド戦が決まるやいなや持ち前のトラッシュトークを武器にこれでもかというくらいアルドに挑発行為を繰り返した。最初は笑ってかわしていたアルドも次第に本気で怒るようになり、試合前には選手ファン共々、興奮はピークに達していた。

そして迎えた頂上決戦、マクレガーはこの試合、開始わずか13秒で左ストレートのカウンターをアルドに叩き込み、追撃のパウンドでアルドを完全にノックアウトしてしまった。

あまりにあっけなくも衝撃的な幕切れに会場は騒然となり、マクレガーはUFCフェザー級世界王者となった。

次戦では、いきなり一回級上のライト級王者ハファエル・ドスアンジョスとのタイトルマッチが決定したものの、直前になってドスアンジョスがケガで欠場。代役となったのは更に一つ上の階級、ウェルター級のトップファイター、ネイト・ディアスだった。
(UFCでのフェザー級とは、ボクシングではスーパーライト〜ウェルター級にあたり、ウェルター級はスーパーミドル〜ライトヘビー級にあたる。つまりボクシングで言えば、3階級から4階級違うのだ)

ディアスはブラジリアン柔術黒帯の実力を持つグラップラーであるのと同時に、神の子の異名を持つボクシングスーパーミドル級、ライトヘビー級の2階級制覇王者アンドレ・ウォードのメインスパーリングパートナーを務めるほどのボクシングテクニックを持ち合わせた強豪だった。

マクレガーはいきなり2階級上のディアスに対しひるむことなく打撃で圧倒。ディアスの顔面を血まみれにするものの、2ラウンド目にディアスのパンチを受け失速、やみくもにテイクダウンを狙った隙を突かれバックマウントからチョークスリーパーを決められタップアウト負けを喫してしまった。

しかし、マクレガーはすぐにディアスとの再戦を要求、再び2階級上のウェルター級で2人は激突し、今回は再びディアスを打撃で血だるまにし、失速する場面があったものの、文句なしの判定勝ちを収めた。マクレガーの勢いは止まらなかったのである。

次戦ではドスアンジョスをKOで下しライト級王者となったエディ・アルバレスに挑戦。一回級下の王者であるマクレガーがアルバレスを圧倒し、パンチ連打からのパウンドで完全勝利。晴れてUFCフェザー級&ライト級の2階級で世界王者となったのである。

現代アメリカンドリームの代名詞「マクレガー」

UFCデビュー前には、母国アイルランドで週2万円の生活保護を受けていたマクレガーは、わずか3年で格闘技界の頂点に立ち、アスリート長者番付で上位に名を連ねるようになった。次の長者番付では1位の座をメイウェザーと争うだろう。まさに、アメリカンドリームを地で行くマクレガーはスーパースターとなり、UFCやコンバットスポーツの垣根を超え、世界中の注目を集めるアスリートとなった。

 

メイウェザーの計算高さと、ファンの声

メイウェザーがマクレガー戦を希望したのは、マクレガーのそんな背景もあり、この一戦が実現すれば再び莫大なファイトマネーを稼げるからだ。

さらにメイウェザーはこの試合に勝てば自身の戦績を50戦50勝無敗にすることができ、現在肩を並べているマルシアーノの無敗記録を抜きトップに立てる。

メイウェザーにしてみれば、ボクシングデビュー戦にして知名度抜群のこの新人との一戦は、楽にビッグマネーと史上最多の無敗記録を手に入れられるためオイシイことこの上ない。

それらを踏まえての上記の発言であった。

メイウェザーの発言に対し、マクレガーはすぐに反応

「ボクシングルールだろうがなんだろうがやってやるぜ」

そんなやり取りもあってファンの間では、この戦いを熱望する声が相次いだ。

と、同時にボクシング界からは批判も相次いだ。

「こんな試合はサーカスに過ぎない。マクレガーのパンチはメイウェザーには一発も当たらない」
「ボクシング素人が、無敗で5階級制覇を成し遂げたメイウェザーに勝てるわけがない」
「こんなの試合にならない。こんな試合を実現させるわけにはいかない」
「ボクシングならメイウェザー。格闘技ならマクレガー。水の中でサメとどうやって戦えるんだ?」

などと。

ごもっともな意見である。

こんなのはまともな試合にならない。
こんなのは茶番に過ぎない。
こんなの、こんなの、こんなの…………

 

 

 

 

 

あぁ゛ーーーーー!!
あぁぁぁぁ゛ーー!!
見てぇぇぇーーー!!!!!!!
超見てぇぇぇぇーーー!!!!!!!!

 

これがファンの声だったのである。

茶番で結構。こんな豪華な茶番なら何度あってもいいじゃないか。

それにエンタメビジネスとして見ればこの試合は稀に見るビッグビジネスとなる。

双方共に最低100億円以上という破格のファイトマネー(ボクシングの長い歴史においても一試合100億以上のファイトマネーはメイウェザーとパッキャオしか手にしたことはない)を手にすることができ、興行収入的にもメイウェザーvsパッキャオに迫るほどのものを見せ、メイウェザープロモーションとUFCは共にWinWinの関係を築ける。

どんな試合になろうが、この試合が決まっただけで関係者は勝利を収めたも同然なのだ。

前述の通りメイウェザーとマクレガーは、共に来年のアスリート長者番付では首位を争うだろう。
(日本で育まれたといっても過言ではない総合格闘技の1選手がアスリート長者番付の首位に食い込むことが個人的には感慨深いというか、感動するのだ)

この試合を実現させない手はなかったのだ。

 

試合が本当に実現!そして舌戦!

さて、この試合が決定してからどうなったか。

アメリカ、カナダ、イギリスを巡ったワールド記者会見ツアーには、会場に約2万人のファンが詰め寄せ、共にトラッシュトークで有名なメイウェザーとマクレガーは舌戦(というか罵り合い)を繰り広げ、まさにサーカスのような盛り上がりを見せた会見となった。

マクレガーが
「こいつを4ラウンド以内に沈めるぜ」

といえば

メイウェザーが
「おれが格上だ。だからこのビッチはおれのフィールドに来なきゃならんのさ」

と返す。

マクレガーがメイウェザーに対し
「俺と踊りなボーイ」
というプチ差別用語(アメリカではボーイというのは黒人に対する差別用語ともとられる)を言い放てば、

メイウェザーはマクレガーの頭上にドル札をばら撒く。

面白い。実に面白い!!!!!

この舌戦は、わずかにメイウェザーがリードといったところだ。さすがに百戦錬磨のトラッシュトーカー、ボクシングだけでなくこっちの方もメイウェザーの方が経験値があるようだ。

血の気の多いマクレガーは戸惑いとも、あるいは「あー、こいつ今すぐ殺してぇ」という怒りともとれる顔をしていたのが印象的だった。

メイウェザーはいうまでもなく冷静に試合を運ぶだろうが、マクレガーはとにかく我を忘れないでほしい。

試合開始から怒りに任せて突っ込んだり、試合中に空回りしてしまいやけになったりすると凡戦はおろか、最悪没収試合になる可能性すらある。

そうはならず、この試合を通じて異種格闘技戦の潮流というものを生み出してほしいと願う。

と、ここまではこの試合の背景について述べた。

舌戦の模様(英語)雰囲気だけでも!

次の記事では、この試合の展開予想について書いてみようと思う。

次記事、8/26ボクシング世紀の一戦が幕を開ける-② / The Money Fight: 試合予想 
 

 
ダイキンマン

ダイキンマン

お酒と美味しいもの、音楽、楽しいことをこよなく愛するLove&Peaceが信条のオスです。小学生の頃から格闘技を嗜み、格闘技が大好きです。だから書く記事もそっちよりになります。都内在住ですが南国のリズムで生きてます。海大好きです。あ、実は湘南育ちです。あ、あと幕末とかも好きです。夢追い人です。ポジティブ思考です。よろしくお願いします。

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